マンハッタン殺人ミステリー(1993) MANHATTAN MURDER MYSTERY
映画Blog仲間の記事を読んでおもしろそうだったので観ました
そこの管理人さんがこれは『B級グルメ的シネマ』だってのは正しくピッタリだと思います!
一流のコメディー、一流のミステリー、一流のラブストーリーを作るのだって難しいのに、この三つの要素がごっちゃになった映画で一流と言わせる作品を作るのはほぼ不可能に近いことです
そこで出来あがったのが一流の技量で作られたB級作品!
主演の2人、監督でもあるウディ・アレンとダイアン・キートンのやり取りは息ピッタリ!
いろんな意味で年季の入り方が違うと感じます(^^ゞ
夫婦の問題から、それを取り巻く大人の恋、そして殺人事件… これをコミカルに描くのですから大変です
それをちゃんとウディ・アレン流に仕上げてしまうのですからやはりこの監督、すごい人ですね~
が、やはり色々切り捨てたり、流したりしなければならなかったのでしょう…
一流とはならず、B級的(決して二流ではない)作品となりました、イヤ、あえてこんな風に作ったのかも…
僕がこの作品をB級だと評するのはこんなことからです
料理が得意でレストランを開きたいと考えている妻キャロルですが、2度ほどの自作ケーキの差し入れシーン以外はまったく料理の“り”の字に触れることなく、なんで“レストラン経営”なんて入れてきたのかわからない…
映画にオペラにと結構楽しそうなのに、身近で起こった殺人事件でにわか探偵に夢中になると「私たちの夫婦生活で最高にドキドキする出来事よ~」などとのたまう…
友人の劇作家、テッドに誘われレストラン店舗の候補を見に行くぐらいならきっと夢も膨らみ、準備に追われているはずで、子供が手を離れて夫婦生活が退屈だとか言ってる暇ないんじゃないかと…
ホントはレストランなんかやりたくなくって、テッドが自分に気があり、それを満更でもないと思っているキャロルが店舗の下見を理由に単にデートを楽しんだって解釈してあげても良いけれど…
そんな感じでキャロルを初め、テッド、そして女性作家のマーシャと、ストーリーに深く係る人たちの背景と言うか、彼らのバックボーンを描く時間は全く無いので、状況が薄っぺらく感じて仕方がありません
夫婦探偵の捜査の部分も、解決?方法も“ゆる~い”と言いますか…
犯人を捕まえる為とは言え、この人たちも捕まらないのか? と心配になりました
あと、ダイアン・キートン…
歳とともにだんだん演技が臭くなってきているような、2時間サスペンスの女王みたいなちょっと安っぽくなった気がしてなりません
体形もB級に・・・(T_T)
結局、B級映画にありがちなかなりのご都合主義で作られていると感じたので“B級”
ところが、これがただの“B級”じゃぁないってところがこの作品のスッゴイところ!
上で散々人物の背景が薄いとか文句を書きましたが、演じる俳優の魅力と言うのでしょうか、見事に映画に引っ張られてしまいます
作家のマーシャなんか凄い存在感だった…
で、なんだかんだ言ってもホントは観て面白かった! それが結論
仲間のBlogではこんな風にも評していました
『まるで、落語の名人芸を見ているようだ』
いぶし銀の域に達したウディ亭アレン師匠に圧倒されてしまいましたm(_ _)m
最後に僕のお気に入りのシーンを… それはエンディングでした
コメディーだと言うことでラストは何となく想像できるとは思いますが、やはりこれは殺人が起こるミステリーですから、登場人物の生死に係わる情報が含まれるラストシーンを安易に晒してはいけないと思います
が、Blogを新しくしたら“追記”とか、別個に記事を表記するやり方がわからなくなってしまったので、スペースをたくさ~ん入れて下の方に表示します
ご覧になりたい方だけどうぞ↓
オープニング、外出からアパートに戻ってくる夫婦
二人で出掛けているくらいだから仲が悪いわけではなさそうだけれども、奥さんは新聞から目を離さないまま夫と会話をするくらいには冷えた感じ…
エンディング、やはりアパートに帰ってくる二人
オープニングとは打って変わって、顔を合わせ、笑いあう夫婦
こちらまでニヤニヤしてしまします
そしてホントのラストシーン
ラリー(ウディ・アレン)の“どや顔”(笑
これ監督のアドリブですかね~?
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