ブログDEロードショー : 七人の侍 (1954)

2013年、初めて観た映画が『七人の侍』です
“忘却エンドロール”の“宵乃さん”主催の「ブログDEロードショー」で選ばれた作品と言うことでいく度目かの再見となります
以前、こんな感想を書いていました → 『夜更けの自販機』2008/05/14 「七人の侍」
正直「素晴らしい」と書けばそれですべて言い切れてしまう作品なので、言うことは他にないのですが、それでは話も進みませんので今回の鑑賞で強く感じたことなどをダラダラと・・・
「七人の侍」はストーリー展開のバランスがすこぶる良いと思うのです
1:苦悩する農民→苦肉の策
2:「七人の侍」集まる
3:合戦準備→侍と農民の関係構築
4:合戦
大雑把に分けましたが、どこのシークエンスもたるみのない必要な内容と長さだと思うんです
それに「七人の侍」はとても話がわかりやすい!

もうホント切羽詰まっちゃった農民たち

「出来ん相談だな」と言いつつ絶望で肩を落とす農民を捨て置けぬ勘兵衛
うん~ん
守るのは攻むるより難しいでな
後は山だと言ったな
はい
その山は馬も通えるのか
はい
うん~ん
前は畑、田に水を引くまでは何所からでも馬で攻められる
四方に備えるだけでも四
後詰めに二名
どう少なく見積もってもわしを入れて七名
なんで「七人の侍」なのか? わかりやすい!
そして農民を助けることに意を決する勘兵衛の優しく美しい言葉

『この飯、おろそかには食わんぞ。』
ここまででもホント見応えがあります
そして“侍集め”が始まります
このシークエンスはワクワクしますね~
今回“ん?”っと思ったシーンを一つ
勘兵衛さん、“いやぁ~まいったなぁ”とか“困っちゃったなぁ~”ってとき丸めた頭をこんな具合に摩ります

で、侍集めの最初、山形 勲演じるかなりの腕前の浪人を見つけた時のこと

「拙者の望みはもうちょっと大きい」とにべもなく断られてしまいます
でもこの時はそのしぐさをしないんですよね~

勝四郎が「アレほどの剣客を惜しいことしましたね」と言っているのですが、勘兵衛は全くそう思っていないんじゃないでしょうか
この時代の浪人ならば仕方のないことでしょうが、己の出世のみを考えている者にはこの件は務まらぬと解っているからではないかと…
こう言う人物の動きの癖まで作り込まれた感がたまらなく素敵です
最後の合戦でも菊千代の長刀が折れたりするのですが、これがより戦にリアリティーを加えていると思います

映像を台無しにするキャプション!
「七人の侍」では死んだ者の顔をまざまざと見せることをしませんんね
七人の内の誰が死んでもあの菊千代でさえ死んだときに写っているのは“尻”だけ
片山五郎兵衛の死が唯一それを悼むシーンがあるくらいで、あとの死にざまは侍の潔さなのか、哀しさを表しているのか・・・
この演出がやはり戦に現実味をそして命の儚さを伝えてくれていると思います
色々な方が『観るたびに発見のある作品』と言っています
僕もそう思います
最後に僕の一番お気に入りの抜刀シーン

嵐の前の静けさ、緊迫感と美しさに声も出ません・・・
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