(ハル) (1996)
7~8年振りに観ました
なんとなく穏やかな気持ちになれるような映画が見たくて・・・
故森田芳光監督のヒット作の一つ
僕はこの監督の作品をさほど観ていないのですが、この「(ハル)」と「間宮兄弟」(2006)が好きです
ネット上のハンドルネーム“ほし”(深津絵里)と“(ハル)”(内野聖陽)のパソコン通信で繋がれてゆく過程を小さなイベントを挟みつつ淡々と綴って行く物語
二人は会うことも無く、映像の半分は彼らの文字のやり取りだけなのですが、彼らの暮らしのエピソードを映像でインサートしながらそれによって変わって行く心情がまた文字となって正直で(たまに嘘も書きますが…)分かりやすく、あっと言う間に二人に好感を持ってしまいました

モニターを見ているだけの画ですがほんの少しの表情の変化で伝わるものがあります

新幹線で移動している(ハル)と道から手を振る“ほし”
初めてお互いの姿を、いや存在を実感できた瞬間の“ほし”の表情は美しかったです
この作品を観ていつも思うのですが、文字ばかりの画面が多いのに不思議と心地よいリズム感があるようで、ゆったりとした雰囲気なのですがモタモタしないと言うのか退屈な所が無く、また恋愛映画に有りがちな話が盛り上がってくると「コイツらいったいいつ仕事してるんだよ!」という現実離れしてゆくことも無くちゃんと(転職しながらも)働いていてリアルを感じるのです
まぁ今の若者が観たら「こんなに簡単に仕事が見つかるかよ~!」とか、「写メ送りゃ~イイんじゃね?」なんて色々と出てくるでしょうが、自分たちが見てきた時代のせいか、僕は古臭いという風には見えず作品の時代にタイムスリップして違和感なく時代に溶け込めるような気がしました
僕の記憶ではこの(ニフティーの)パソコン通信の時代ってのは非常に短かったような気がします
この文字だけの制約ってのがこの映画のキモでもあるわけで、今でも似たような作品は出来るでしょうが、この「(ハル)」という映画の持つ雰囲気は出せないでしょうね~
ホント、時代的にもピンポイントで、森田監督の臭覚の鋭さを感じます
『1999年の夏休み』でスクリーンデビューした深津 絵里(当時:水原里絵)
その水原里絵当時の彼女を渋谷のPARCOで見かけたことがあります
まだガキンチョでした(笑
そんな彼女は今でも一線で活躍する立派な女優ですもんね~
なんか自分の手をじっと見たくなります・・・ ▄█▀█●
若々しくバネのある走りで駆けてくる(ハル)
はにかみながらも満面の笑顔を見せる“ほし”
新幹線での時速200kmのすれ違いこそあれ、最後の最後で初めて顔を合わせた二人・・・
映画は終わるのだけれども、今から始まるラブストーリーにときめきを感じるラストでした

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